ズバっと太く縁取った力強くシンプルな実線が印象的、かと思いきや、なにそのちっちゃいほっそいやつ見えないじゃん、とゴシゴシ目を凝らさせる屏風など、なんだかウィットにとんだ室町時代後期の水墨画家、雪村(せっそん)の作品を見に行った。
雪村といえば、なんといっても「布袋(ほてい)」であろう。布袋は、大きな袋を抱えたまあるい太ったじじいで、七福神のひとりらしいけど、ああこれは所蔵したいでしょうねとおもわず唸っちゃうコミカルさ。二度見したもんね。嘘でしょ、って思ったもんね。
江戸時代の画家、尾形光琳も雪村の大ファンだったそうで何枚も模写が残ってるとか。作者を表す落款印(でいいのか?)まで真似して作ったみたいなこと書いてあったけど、いや本当か?とにかくとんでもなくファンだったらしい。そういえば尾形光琳の作品にも、いい感じの布袋がいたような気がするが、もしやわたしは著者関係なく布袋が見たいのではなかろうか。新たな発見。