幻術の夕暮れ

Jun 28, 2016 | not category

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昔、住んでた家のまわりを、どこまでもどこまでも散歩する夕暮れがあった。永遠と無駄話をし続けながら、少し道に迷ったりして、まるで誰かの幸せな幻術にかかってるみたいな、空気の温度がちょうど良すぎる、いつまでも日の暮れない夕暮れであった。
夜、ショーウインドウの中の提灯を見たら、その夕暮れを思い出した。そんな気持ちの良い空気のことを、今の今まで忘れてしまっていたんだなあ、とすごく悲しくなった。

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